19歳からの智のロマン 『若き日の読書』に学ぶ 池田樹冠人
【はじめに】
「青年よ、心に読書と思索の暇をつくれ」とは、先師戸田城聖先生(以下、戸田先生と呼ぶ)の遺訓であります。また、戸田先生は「青年たる者は、一日に二十分でも三十分でもいい、深く静かに思索し、品位と教養を高めよ、読書によって、偉大なる自己を確立せよ。」と青年を訓育されていたそうです。
この指導を身で読まれた恩師池田大作先生(以下、池田先生と呼ぶ)は、戸田先生に師事される19歳以前から、無類の読書家であられた。そして、戸田先生に師事されてからは、より一層の思索家になられ、現在では世界に類を見ない著作家であり、平和指導者として全世界の著名人から尊敬賞賛を受けておられます。
池田先生は、我々弟子に対して、「一書の人を恐れよ。書を読め、書に読まれるな。自己を作る事だ。それには、熱烈たる、勇気が必要だ。」と、『第三文明社』誌で叫ばれました。私がこの言葉と遭遇したのも19歳の冬のことでした。それから何年か時が過ぎ1978年8月24日発行の初版『若き日の読書』が発売されることを知り、信濃町の「聖教の出版センター」に足を運んだ記憶は、いまだに鮮明に残っています。
私のこの当時の思索力では、「読書の勇気」とは何であるかを知る術もなく、「とにかく師匠が出版される書籍を全て読みきる。」と決意するのが精一杯でした。
あれから、何星霜でしょうか、現在も精力的に著作を続けておられる池田先生の書籍発売の案内を知る度に、うきうき、どきどきの日々を過ごさせていただいていることを感謝しています。
2007年3月16日 枚方樹冠庵にて 著者識