ホームページ開設10周年記念 特別企画

 19歳からの慧のロマン

   梁塵秘抄が謳う法華経の世界 おことわり 


 恩師池田大作先生(以下、池田先生と表記)の『活字文化復興提言を熟考し、その実践の第一弾として19歳からの智のロマンを発表したわけですが、早いもので、五年の月日が過ぎ、現在では第二弾として『樹冠人蔵書目録』を作成中です。そして、蔵書目録の作成を開始して満二年が過ぎようとしています。

 そこで、『
19歳からの智慧のロマン』の完結に向かって執筆を開始します。

 『19歳からの智のロマン』は、書籍から学ぶ知識に比重を置いた企画でした。
 一方、『19歳からの慧のロマン』は、「日蓮大聖人の仏法精神を学ぶための助けと成る資料」を作成する意図があります。

 その第一弾として、『
梁塵秘抄が謳う法華経の世界』を読者の方々に贈ることにしました。

 今回の企画は、『19歳からの智のロマン』『樹冠人蔵書目録』がきっかけで、「古典に興味を持つようになったが・・・・」「法華経を勉強してみたい」「平安時代の法華経理解度を知りたい」「日蓮大聖人と法華経の関係は?」など、読者の方々のご要望が多いことも考慮して作成を開始したものです。また、この『梁塵秘抄が謳う法華経の世界 』は、私こと樹冠人の「19歳から始まった仏法研鑽記録」でもあります。そして、今回から詩歌の師匠である
妙櫻華(みょうおうか)さんにも参加していただき対話形式でお届けします。

 そして、私こと樹冠人が所蔵している佐佐木信綱編の「原本複製 梁塵秘抄」は、青年期に蒐集したものです。日蓮大聖人御書全集の『御義口伝』を片手に、池田先生の「御義口伝講義」を熟読しながら、「原本複製 梁塵秘抄」を紐解いた二十代でした。そして、五十代半ばにして再度「梁塵秘抄」の解説に挑戦します。今回は前述の三冊に加え、池田先生の「法華経の智慧」も学ぶことができましたので、精度の高い解説が可能となります。このことも付け加えておきます。

 次の「おことわり」は、現代はインターネットの普及のおかげで、「WEB図書館」や「私的な注釈書」が公開されています。たとえば、国立国会図書館の「近代デジタルライブラリー」や京都大学・早稲田大学などの「WEB図書館」が存在します。原典・原書に挑戦したい方は是非検索して、研究してください。

 最後の「おことわり」は、この『梁塵秘抄が謳う法華経の世界』の作成方針と発表方法についてです。梁塵秘抄の歌詞は「原本複製 梁塵秘抄」、各品の正式名称は「妙法蓮華経並開結」、解説の内容は「日蓮大聖人御書全集の御義口伝」「御義口伝講義」「法華経の智慧」「仏教哲学大辞典」を参照します。法華経の各品の発表方法は、『樹冠人蔵書目録』でもおことわりしましたが、同様に各品ごとに随時作成しますので、読者の皆さんの再訪をお待ちしています。

 
【参照文献】
 (1)「原本複製 梁塵秘抄」(好学社 佐佐木信綱編)
 (2)「妙法蓮華経並開結」(創価学会版)
 (3)「日蓮大聖人御書全集の御義口伝」(創価学会版)
 (4)「御義口伝講義」(創価学会版 池田大作著)
 (5)「法華経の智慧」(聖教新聞社 池田大作著)
 (6)「仏教哲学大辞典」(創価学会教学部編 池田大作監修)


 最後になりましたが、池田先生の提言をもう一度皆さんと共に熟考して、「おことわり」を終わりたいと思います。


『活字文化復興提言』

◎今、なぜ読書なのかといえば、第一に、それは読書経験が、ある意味で人生の縮図を成しているからです。

◎古典や名作は、ダイジェスト本や結論だけを要約したものを読んで事を済ますわけには、決していきません。苦しく困難な登はん作業にも似た格闘を経て、初めて血肉となるのが良書です。

◎今、なぜ読書か。その第二の意義として、蓄えられた読書経験は、巷にあふれ返るバーチャル・リアリティー(仮想現実)のもたらす悪影響から魂を保護するバリアー(障壁)となってくれるでしょう。

◎第三の意義として、読書は青少年のみならず、大人たちにとっても、日常性に埋没せず、人生の来し方行く末を熟慮するよいチャンスとなるでしょう。

◎青少年の周囲から本が消えてしまえば、魂の滋養が失われ、未来の精神文化の大地は砂漠の世界になってしまう。

◎今、私たちは、活字文化の危機という“現代の挑戦”に直面している。教育界も、出版界も、言論界も、一丸となって応戦する時であろう。ここに、非暴力と平和の重大な精神闘争があるからだ。

◎ルネサンス(再生)は読書から生まれる。レオナルド・ダ・ビンチも、ミケランジェロもルネサンスの巨匠は、皆、第一級の読書家であった。古典の読破なくして、あの絢爛たる創造力の開花はなかったに違いない。活字文化の復興は、即、文芸の復興であり、そして人間精神の復興である。

◎人生も社会も、常に行き詰まりとの闘いだ。読書は、停滞を打ち破り行く、最も身近にして強力な知恵のエネルギー源でもある。

◎活字文化の復興には、大人がまず手本を示すことが欠かせまい。

◎「読む」ことが、いかに崇高なる意味を持つか。文字・活字文化は、無量の価値を持つ人類の宝である。ゆえに、文字文化の停滞、すなわち「読む力」「書く力」の衰退とは、人間と文明の創造性の衰退にほかならないであろう。

◎活字文化は、未来の命運を担い立つ聖業といってよい。            以上




        

 参考のために、国立国会図書館の「近代デジタルライブラリー」(左上バナーを参照、明治期以降の書籍)と早稲田大学図書館の「古典籍総合データベース」(右上バナーを参照、江戸期の書籍)のリンクを貼ってあります。これらの図書館で書籍がPDFファイルで読むことができます。


       2012年4月2日 ウィンベル教育研究所 池田樹冠人 識